リップサービス 2010 11 14

書名 アメリカにはもう頼れない
著者 日高 義樹  徳間書店

 日本の民主党が、外交戦略をどう考えているのか知りませんが、
おそらく、それは、相変わらず、
米ソ冷戦時代の思考で時間が止まっていると推定されます。
 この本によると、シュレジンジャー元国防長官は、このように発言しています。
(以下、引用)
「日本の陸、海、空の自衛隊の戦力は、
中国や北朝鮮、韓国を上回っている。
そういった国々と日本が紛争を起こしたとしても、
アメリカ軍が助ける必要はなくなっている。
 アメリカ軍が日本を助けなければならない時とは、
日本が核攻撃を受けた場合、あるいは核攻撃を受けそうになった場合だ。
したがって日米安保条約というのは、アメリカの核の傘そのものだ」
(以上、引用)
 日米安保条約の法律的な解釈は別として、
アメリカの平均的な政治姿勢は、シュレジンジャー元国防長官のとおりだと思います。
 この発言を読んで驚いた人は、いつの間にか「浦島太郎」になっているのです。
たとえ、アメリカの政治家が、「極東で紛争が起きた場合は、日本を守る」と発言したとしても、
それは、リップサービスに過ぎないのです(あるいは核兵器で守ると言っているのです)。
 「天は自ら助くる者を助く」
自分の国は、自分で守る。
これが、国際社会の常識です。
 もちろん、発展途上国で、国民が貧しくて、
とても軍事予算を捻出できない国は、大国が保護する必要がありますが、
日本は、そのような小国でしょうか。
もはや、日本は、発展途上国のような振る舞いは止めるべきです。
 アメリカ人は、正義感が強い。
だから、本心から「日本を守る」と言うこともあるでしょう。
 しかし、それは言葉だけのものとなるでしょう。
日が暮れるのは早い。
アメリカは、アフガニスタンと中東の戦いで傾く。
泥沼のアフガニスタン。
最後の決戦が控える中東。
それがアメリカの致命傷となるでしょう。
極東に米軍(通常兵力)を駐留させる余裕はないはずです。
 よく日本は被爆国という立場を主張していますが、
将来、日本は、また被爆する可能性があります。
それは、東京(首都圏)ではない地方都市です。

西浦和駅 2009 7 25
 今でも、時々、思い出す小説があります。
それは、今から20年近く前に読んだ小説です。
 昔のことなので、正確に記憶していませんが、
北の国から発射された核弾頭ミサイルが、
埼玉県の西浦和駅付近に着弾するというシナリオです。
 もちろん、これは架空の小説であり、
現在においても、「北の国」は、核弾頭ミサイルの技術はないでしょう。
(もしかすると、外国技術の導入で核弾頭ミサイルは完成したかもしれません)
 現在、考えられるのは、もっと原始的な使用方法でしょう。
しかし、ハイテク社会の現代において、
こうした原始的な使用方法が、
費用対効果の面で、最も効果的なのは皮肉なことです。
 EMPを使って、ソウルまで南進する。
これが、最も現実的で、あり得る選択肢です。
多くの国民が、貧困と飢えで苦しんでいる現状を解決するには、
こうした方法しかないでしょう。
 韓国の人たちは、こうした選択は、
同じ民族だから、あり得ないと主張するでしょう。
 しかし、北朝鮮の人たちは、こう思うでしょう。
「同じ民族なのに、なぜ、我々は、貧困と飢えで苦しみ、
一方で、韓国の人たちは、豊かなのか。
なぜ傍観しているのか。
なぜ助けてくれないのか」
 あるいは、こう思うかもしれません。
「同じ民族ならば、我々の思想と政治体制を受け入れてほしい。
我々の素晴らしい思想と政治体制で、朝鮮半島を統一したい」
 その時、北朝鮮の人たちは、支配者層となり、
韓国人は、被支配者層となって、
こうした「素晴らしい思想と政治体制」を推進することになります。
 どのような形で朝鮮半島が統一されるにしても、
北朝鮮の人たちは、
「我々の素晴らしい思想と政治体制で、朝鮮半島を統一する」という点は、
絶対に譲らないでしょう。

EMP 2005 2 16
 「北朝鮮には、核ミサイルなどの運搬手段がないから、
核保有宣言しても、あわてる必要はない、静観すべきだ」と考える人がいるでしょう。
 しかし、核兵器の使い方には、別の使い方があるのです。
それは、EMPという手法です。
 核爆発が起きると、膨大な量の電磁波が発生します。
これが、地下なら問題ないでしょうが、地上では問題があります。
この膨大な量の電磁波によって、コンピュータ類は、死滅します。
 そういうわけで、韓国との国境付近で、
核兵器を、空中爆発させれば、韓国のコンピュータは全滅です。
北朝鮮は、ハイテクではなく、ローテクの国ですから、特に影響はないでしょう。
 核兵器をミサイルに搭載し、相手国に打ち込むというのは、固定観念です。
ミサイルがなくても、EMPという手法があるのです。
















































トップページへ戻る